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会社員とフリーランスはどっちが良い? 両方経験したから分かる違いやメリット・デメリットを解説

働き方が多様化する今、会社員として働き続けるか、フリーランスとして働くかという選択肢で迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ここでは、会社員とフリーランス、どっちが良いのか迷っている方に向けて、両方の働き方を経験した筆者の目線からそれぞれの違いやメリット、デメリットなどについて比較しながら説明していきます。

会社員とフリーランスの違い① 給料面

転職でも独立でも、これから仕事を変えようかと考えるときにまず気になるのが、給料では無いでしょうか。

会社員とフリーランスではどのような違いがあるのか、その違いをみていきましょう。

やはり会社員の安定性は正義

会社員の安定性は、やはり最大のメリットと言えるでしょう。毎月固定給が入ってくることが決まっているので、基本的には生活に不安を感じることがありません。会社員しか経験がなかったときは当たり前でしかなかったのですが、フリーランスになってから振り返ると、ありがたみを感じます。

フリーランスの給料は大抵固定では無いため、毎月の収入が安定しません。例えば私は編集の仕事をしているのですが、「校了月」をベースに、その翌月に給料が支払われるというケースが多いです。そのため、修正対応などで校了のタイミングが翌月にずれ込めば、給料も翌月以降にずれ込むことになります。もちろん、給料自体は予定通りの金額が支払われるのですが、毎月の給料が正確に予測することはできません。

また、単発でのお仕事だと翌月はどうなるかわかりませんし、継続的に依頼をされていても、企業側の事情によって打ち切られる可能性はゼロではないため、長期的な給料は保証できないことが多いでしょう。

フリーランスは給料の納得感が高い

フリーランスは案件ごとに自分で給料を決めることができるので、納得した給料で仕事ができます。提示された金額に納得できなければ交渉して金額を上げれば良いですし、どうしても納得できなければ断れば良いのです。

また、仕事を速く効率的にこなすほど、時給換算したときに単価がどんどん上がります。自分が得意な仕事をササッとこなして新しい仕事を増やせば、収入をさらに増やすことができるわけです。

会社員は良くも悪くも固定給なので、繁忙期などで忙しく働いても、他の社員よりも多く仕事を受けても、給料はいつも通り。

給料は上司の評価や会社の業績に左右されることが多く、本人のスキルや忙しさと給料は必ずしも比例するとも限りません。年功序列の風潮が残る会社では、自分より明らかに働いていない年上の社員の方が給料が良いなんてこともざらにり、給料に納得できずモヤモヤすることもあるでしょう。

フリーランスばやればやるだけ給料が増える

フリーランスは頑張れば頑張った分だけ、給料が増えるというのもメリットでしょう。仕事が忙しい時期でも、「今頑張れば、来月にはこれだけ入る!」ということがわかっているので、モチベーションも保ちやすいです。

個人的にフリーランスの給料は想像よりもだいぶ良かったです。同じような案件を会社員時代には月に何本も回さなければいけなかったのに、今は1つの案件だけでもこんなに貰えるのかと正直驚きました。

私の場合はまだ駆け出しですし月によって収入に差がありますが、会社員時代よりも月収が多くなることも少なくありません。

もちろん単価が低い案件も存在するので、やってみて手間がかかるコスパの悪い案件はなるべく早めに手放して、単価が高く自分の得意な仕事だけを受けるようにしています。

長期的に高所得を目指すなら会社員の方が確実

フリーランスは案件ごとにお金をもらう形が基本なので、数をこなさなければ収入を増やすことはできません。時間は有限なので、個人で大幅に年収を上げることは難しいと感じることも(もちろんフリーランスでも職種によって見解は異なるでしょう)。

その点、高所得を狙うなら、大企業で出世を狙うのが確実とも言えます。大企業や業績の良い会社で出世の道を選べば、フリーランスでは手の届かない額の収入を得ることもできるでしょう。

会社員とフリーランスの違い② 時間

働く時間というのは生活の中で多くを占めるものです。会社員とフリーランスでは働く時間にどのような違いがあるのか、比較してみましょう。

フリーランスはとにかく自由

フリーランスは時間で拘束されることが無いので、とにかく自由に時間を使うことができます。これがフリーランスにおける最大のメリットでしょう。

好きな時間に仕事を始めて、疲れたら好きなタイミングで休憩して。働く場所も自由なので、家で働くのに飽きたらカフェに移動してもOK。休みも好きなタイミングでとることができますし、平日に連休を作って安く旅行に行くことも可能です。

仕事量を増やすも減らすも自由なので、「今月、来月は稼ぐぞ!」と仕事に集中する時期を作ることも、「のんびりしたい」と仕事量を減らして時間にゆとりを持って暮らすことも可能です。

私の場合は納期のあるお仕事なので、納期前は忙しくなることもありましたが、その納期も自分で調整するようにしています。長期的な案件であれば特に、この納期じゃきついなと判れば、翌月からは納期を長めに設定するようにしました。調整に慣れてくれば納期に追われてバタバタすることもなく、常にゆったりと仕事ができるようになります。

納期まで余裕があれば自分で好きなときに休みがとれるので、「今日は休みにして、明日頑張ろう」と体調や気分にも合わせて働けます。

会社員の残業の有無は入社までわからない

会社員は基本的に週5日、1日8時間以上拘束が基本でしょう。リモートワークが進んでも、時間拘束は変わっていない会社が多いかと思います。

また、会社員の実際の時間的拘束については、会社に入るまでわからないというのが正直なところです。

求人情報に書かれているより残業が多いこともありますし、残業代ありと書かれていても実際は貰いにくいシステムだったり、申請することで査定に響く懸念があるケースも少なくありません。入社してから状況が変わることだってあります。

働き方改革が進んでいる企業に入社できればラッキーですが、全社員が定刻通りに働いて満足な給料も貰えている会社はどれほどあるのかというと、なんとも言えないというのが実情ではないでしょうか。

会社員には有給がある

会社員には有給という休み方があります。お休みをしているのに給料はしっかりと貰えるというのは、フリーランスには無いメリットです。また、会社員は誰かが休めば、会社にいる他の人が代わりに仕事をサポートしてくれます。

フリーランスの場合は基本的に、休んだ分は仕事が溜まるか、仕事を減らして給料を減らすかの二択なので、有給という考え方は基本的にありません。

ただし、有給もしっかり貰える会社とそうでない会社があります。私が会社員をやっていたときは有給は取得しやすい環境だったので、堂々と旅行にも行くことができました。ただ、休み中の仕事を完全に任せることはできなかったので、しっかりと有給で休めるけど、仕事はたまるので休み明けは忙しくなるというパターンでしたね。このあたりも入社するまで分からないポイントです。

会社員とフリーランスの違い③ 人間関係

仕事をする上で人との関わりはなかなか消せるものではありません。身の回りの人間関係によって、生活の充実度やストレスの度合いは変わってきます。

では、会社員とフリーランスだと、仕事上での人間関係はどのような違いがあるのでしょうか。

フリーランスはストレスフリーで仕事に集中できる

フリーランスでは、仕事を遂行する上で必要なやりとりが淡々と交わされていきます。案件をくれる会社と業務委託で仕事を受ける自分はあくまで対等な立ち位置であり、上下関係があるわけでは無いので、気が楽です。仕事上でのやりとりも必要最低限なので効率も良いですし、仕事に集中しやすく快適に感じます。

会社員だと、長期的に良好な人間関係を築くことは重要な要素です。部署内ではもちろん、他部署の人とも仕事をスムーズに行うため、業務外で親睦会を開かれることも。必要性がわからない謎会議に強制参加させられるのも日常茶飯時です。

また、上司との人間関係は出世に直接影響することもあります。私自身の場合、同僚同士で仲良くするのは好きでしたが根回しなどは不得意だったので、このあたりは会社員時代にストレスを感じていました。

フリーランスは寂しい?

会社員だと仕事仲間が身の回りにいるので、仕事上で悩みがあれば相談にも乗ってくれますし、たわいもない雑談も交わされます。私が会社員として所属していた会社は、比較的フレンドリーな社風だったため、仕事仲間兼友達のような存在と毎日一緒にいるような生活でした。

人によって感じ方は異なるでしょうが、個人的にはみんなでワイワイするのが好きなタイプなので、「今日ランチ一緒にどう?」「給料日だし飲みに行かない?」なんて日常は楽しかったなと感じます。

フリーランスは同僚という概念がなく、仕事のやりとりをする相手もあくまでビジネス上での関係性であり、それ以上に親睦が深まることは珍しいように思えます。逆に、あまり仲良くなってしまうと、金銭の交渉などがしにくく感じるケースもあるでしょう。また、仕事は仕事と割り切れるのはフリーランスとしてのメリットの1つなので、あまり仲良くなりすぎない方がやり易いとも言えます。

会社員は同僚との仕事生活が楽しいという点はメリットのひとつですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今は会社員でもリモートワークが基本という会社が多いでしょう。全て在宅での仕事になる場合、同僚同士で日常的にワイワイなんてことも無いでしょうし、今後も会社に毎日出勤する習慣がなくなる可能性もあります。

フリーランスは孤独という説はよく耳にしますし、共感する部分もありますが、このご時世においては会社員でもさほど違いはないかと思います。

会社員とフリーランスの違い④ 仕事内容

会社員とフリーランスとではその実務内容にも差が出てきます。

ここでは、会社員とフリーランスにおける、仕事内容の違いについて紹介していきましょう。

フリーランスはやりたい仕事だけを選べる

フリーランスは自分で仕事を取捨選択できるので、やりたい仕事やコストパフォーマンスの良い仕事だけを選ぶことができます。やってみてストレスを感じた仕事は契約内容に則って早期にに辞めることも可能です。それにより職歴が傷つくなどのデメリットもありません。

また、仕事内容が非常に明確というのもポイントです。契約内容に無い仕事を頼もうとしてきたらお断りをしても全く問題がありません。必要以上に責任を感じる必要が無いので、ストレスを溜め込みにくいというメリットがあります。

会社員の場合、自分が不得意な仕事でも任されればやらなければいけません。また、出世をするためにはマネジメント業務が必須という会社も多く、自分以外の社員の責任まで持つ必要が出てきます。

会社員は未経験の仕事にもチャレンジするチャンスがある

フリーランスはあくまでも自分の持つスキルを売るという形が一般的です。そのため、自分のできる仕事や得意な仕事しかやる機会は無いでしょう。

一方、会社員であれば、未経験でも仕事を始められることもあります。新卒や第二新卒などの若手なら特に、ポテンシャルを重視した採用が活発に行われているため、その受け口は多くなります。

また、会社員は仕事内容がどこからどこまでと決まっていないことがほとんどなので、やらせてもらえる仕事の幅が広いです。通常業務以外にも、社内で新しいプロジェクトに参加するチャンスもあります。

社風にもよりますが、自分自身も積極的に手を挙げていけば、常に新しい刺激を受けることができますし、新しいスキルも身につけることができるでしょう。

会社員は0から教えてもらえる

新卒入社なら、まずは入社後の研修などで社会人として必要なスキルを全て教えてもらうことができます。その後も業務で必要なことはOJTで先輩にしっかり教えてもらえることがでるのが一般的です。中途入社でも、会社によっては部署変更やジョブローテーションなどで未経験の仕事を0から身につける機会があるケースもあるでしょう。

研修中は教えてもらうことばかりで自分では会社の利益を生み出していないかもしれませんが、それでも給料はしっかりもらうことができます。

それが当たり前のように思うかもしれませんが、フリーランスになれば仕事を誰かに教えてもらえるということはまずありません。新たにスキルを身につけたい場合は独学で勉強するか、有料で誰かに習う必要があります。誰かに教えてもらえて、新しいスキルを身につけられて、それでいて給料ももらえるなら、いいこと尽くしですよね。

また、組織の中で優秀な先輩がいれば、その人のマネをするだけでも自分にとって新しいスキルを身につけることに繋がります。自分自身の能力を拡張するという点からも、組織に属するということには大きな意味があるでしょう。

会社員とフリーランスの違い⑤ 社会保障、税金、年金

社会保障や税金、年金などは、生きていく上で重要なポイントです。

会社員とフリーランスでは、どのような違いがあるのでしょうか。

会社員は急な病気やケガでもなんとかなる

会社員は雇用保険に入っているため、もしケガや病気で休職しなければいけない場合、傷病手当金をもらいながら休むことが可能です。労災保険にも加入するので、仕事上でのケガには補償が出ます。また、退職した後も失業手当を受け取ることができるのも会社員ならではです。

このように社会保障が多いのは会社員の大きなメリットです。フリーランスは上記のような保証は受けることができません。突然仕事を休むことで、大事な顧客を逃してしまう恐れもあるため、体調管理は重要です。

産休や育休があるのも会社員だけ

会社員なら、その会社特有の福利厚生を受けることができます。最近は産休や育休がある会社も当たり前になっているので、今後のライフプランも踏まえて、育休産休の受けられる会社員を選択するという考え方もあるでしょう。

健康保険、年金、税金は基本的に会社員の方がお得

会社員の場合、会社が所属する保険組合の健康保険に加入することになり、保険料は会社と折半する形になります。

フリーランスは、原則として国民保険に加入することになります。国民保険は前年の所得に応じで金額が決まる仕組みとなっています。

年金はリーランスだと国民年金のみ、会社員だとそれにプラスして厚生年金を納付することになります(国民年金+厚生年金の2階建て)。そのため会社員の方が年金の納付額は多いですが、その分老後に返ってくる額も多いです。

フリーランスは確定申告を行う必要がある

会社員は保険料・年金・税金は基本的に会社側で処理をしてもらえるようになっており、毎月給料から控除として自動的に引かれるので支払いの手間がありません。

自分自身がやらなければいけないことはほとんどなく、あっても年に一度だけ年末調整の書類を少し書き込む程度です。

フリーランスは自ら確定申告を行い、税金を支払う手続きをする必要があります。手間がかかることを懸念する方もいるかと思いますが、確定申告は税理士に頼むこともできますし、会計ソフトを活用すれば自分でも簡単に行うことが可能です。

確定申告で節税対策ができることも

前述したように、基本的には会社員の方が税金などは得になるケースが多いですが、フリーランスでも上手にやりくりする方法もあります。

まず、確定申告には白色申告と青色申告の2種類がありますが、開業届を出し、青色申告で複式簿記を選択すれば、それだけで最大65万円の控除を受けることができます。

開業費として必要な備品などを経費として計上することができますし、赤字を3年間繰り越すことができるので、フリーランスとして活動を始めてから数年の間は特に、節税対策がしやすくなります。

日常的に経費として落とせるものについても自分自身でも簿記を勉強すれば節税対策もできるようになるでしょう。申請しないと受けられない所得控除や、経費として計上できる意外なものなど、知っておくだけで得になる知識はたくさんあるので、しっかり調べておくことをおすすめします。

なお、確定申告による節税対策は会社員の副業でも適応することが可能です。フリーランス以外にも、副業可能な会社に勤める方などは、自分でできる節税対策についても調べてみると良いでしょう。

会社員とフリーランスはどっちが良い?まとめ

会社員は毎月固定給が入ることや、社会保障があることが最大のメリットです。安定性が高いので、大きな不安を持つことなく生活することができます。業績の良い会社で出世を狙えば、高所得も狙えるでしょう。

フリーランスは時間的な拘束や人間関係のストレスも無く、とにかく好きなように働けるのがメリットです。自由度が高く、働く場所、仕事内容、仕事相手すべてを自分自身で選ぶことができます。ただし、社会保障が手薄いなどのデメリットや確定申告が必須になるため、独立前から少しずつ準備をしておきましょう。

会社員とフリーランスの違いをそれぞれ比較し、どっちが自分に合っているかよく検討した上で選択してみてはいかがでしょうか。