コロナ禍でリモートワークが定着し、在宅環境を整える人やカフェやコワーキングスペースを仕事場にする人も増えてきました。誰もが薄々気づいていましたが、大体の仕事はわざわざ職場へ行かなくてもできるんですよね。
もちろん、在宅ワークと言っても家じゃなくてもできるよね
さて、緊急事態宣言も明け、久しぶりに旅行に行きたいと考える人も少なくないでしょう。せっかく旅行に行くのであれば、土日などの休日だけでなく、仕事をしながら旅を楽しむ「ワーケーション」をしてはいかがでしょうか。リモートワークができる仕事なら、職場を自宅から旅先に移すことで、旅と仕事を両立させることが可能です。
実際に私もワクチン接種も済み、コロナ禍がかなり落ち着いたタイミングで、京都でワーケーションをしてきました。元々は週末と祝日をあわせて3、4日程度の旅行を予定していたのですが、見るところが多すぎるな〜ということで、仕事をしながら観光もしようと滞在期間を延長することに。
今回は、筆者が「ワーケーション」をはじめて体験したことでわかったメリット・デメリットや、ワーケーション中に仕事をするをまとめました。
ワーケーションとは?
ワーケーションとは、「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を掛け合わせた造語です。リモートワークの普及に伴い、仕事をする場所の自由が生まれたことで広まりつつある働き方の1つと言えるでしょう。
基本的には、休みを使って旅行しながら仕事することを指しているよね
ある日は観光、ある日は仕事といったようにかけ合わせることで、仕事が理由で難しかった旅行先での長期間滞在などが可能になります。
実際にやってみてわかったワーケーションのメリット・デメリット
ワーケーションを実際に体験してわかったメリットやデメリットを紹介します。あくまでも個人的に感じたメリット、デメリットなので、前提情報として筆者の働き方などを簡単に紹介した上で説明していきます。
- フリーランスのWeb編集者
- 基本的に在宅
- 締め切りはあるが、労働時間は固定されていない
ワーケーションのメリット
まずワーケーションに行ってきた感想として、とにかく「楽しかった!またやりたい!」という気持ちがとにかく大きいです。仕事をしながら旅行ができるということ自体が明らかにメリットでしかないので、ここは簡単に説明していきます。
長期間旅行を楽しめる
やっぱり長期間旅行ができるというのは大きなメリットでした。旅行でかかる費用として特に大きいのが交通費なので、一度現地についてしまえばそのまま滞在してしまった方がお得だとも言えます。滞在期間が長い分、より時間に余裕を持ちながら旅を充実させることができました。
空いてる日に観光できる
観光地は土日や祝日の方が混み合うので、混雑する日に仕事を集中させて、空いている平日は観光に集中することができるのもメリットです。平日の方が宿泊料金も半額以上安いこともザラにあるので、観光をする上でお得だとも言えます。
モチベーションが爆上がりする
「観光する時間を増やしたいから、早く仕事を終わらせよう!」と、いつも以上に仕事に集中することができます。
また、私が日常的にはそこまでお金を使うタイプではないため、たくさん仕事をするよりほどほどでまったり生活したいと思っていたのですが、ワーケーションがあまりに楽しくて「もっと旅行ができるようにこれからも仕事を頑張ろう!」というモチベーションが爆上がりしました。
ワーケーションのデメリット
楽しさが大きすぎるワーケーションですが、デメリットとしてはどのようなことが挙げられるのか気になる人もいるでしょう。実際にワーケーションをした上で感じたデメリットをいくつか挙げていきます。
結局観光を優先したくなってしまう
普通に旅行して帰るより長期間滞在できるとはいえ、やはり日数は限られているわけですから、現地にいる時間はなるべく観光したくなってしまうものです。
今回私は比較的仕事が落ち着いている時期に旅行していたので、締め切りが直近であるものなどマストの仕事だけ終えたら、後は遊びに行ってしまいました。笑
仕事に集中しにくいという点は、ワーケーションのデメリットと言えるかもしれません。
最初からワーケーションする前提で旅先を選ぶなら、気になるスポットが多すぎる観光地より、何もない場所でのんびりできる〜っていう場所を選んだ方が良いかもしれません。
仕事をする場所に困る(詳しくは後述します)
滞在先で観光の合間に仕事をしようとした際、場所に困ってウロウロ歩き回って無駄な時間を過ごしてしまいました。
今回のワーケーションを経てわかった、仕事をする場所の最適解については後述していますので、ぜひご覧ください。
お金がかかる
当然ですが、普段の生活よりもずっとお金がかかってしまうのもデメリットです。
普段の家賃を払いながら宿泊費も払うことになるわけですし、外食が基本になるので食費もかかります。
というか、お金を稼ぐために仕事をするのに、仕事をするためにお金がかかるというのは正直複雑な気持ちにもなります(だからこそ観光を優先させたくなってしまう)。
ただし、個人事業主なら旅先で仕事をしている時間の割合などに応じて、費用の一部を経費で落とせる可能性もあるよ。
逆に、ワーケーションの割合を増やすことを前提に、普段の家賃を抑えるというのもアリかと思います。あまり物を持っていない人とかであれば、そもそも普段から色んな旅先のゲストハウスを泊まり歩くなどして暮らすのも良いかもしれませんね。
帰ってきた後もしばらく疲れが残る
普通に働くよりも疲労が溜まりやすい点もデメリットのひとつです。一度ワーケーションを始めると帰りたくなくなるので、スケジュール的にギリギリなラインまで現地に残ってしまいたくなるのですが、日程調整には注意したほうが良いでしょう。
旅先にいる間はテンションも上がっているし、アドレナリンが出ているのか疲れを感じにくいですが、いざ帰宅した後になると一気に疲労感が襲ってきます。びっくりするぐらい身体が重く、私の場合は疲労回復まで数日かかってしまいました。
こうした体力的な懸念も念頭に入れてスケジュールを組むことが大切です。
ワーケーションをする1日の流れは?
実際にワーケーションをする場合、どんな風に1日を過ごすのでしょうか。ここでは、筆者が実際にワーケーションをしたある1日の流れを紹介していきます。場所は秋の京都。夜行性で朝が苦手なので、人より活動時間が少しズレていますがご了承ください。
10:00起床
11:30出発
12:00ランチ
13:00観光
14:00仕事ができるカフェ探し
14:30結局スタバで仕事
16:00観光再開
21:00ホテルへ帰宅、コワーキングスペースで仕事
01:00終業、ホテルでシャワー
02:30就寝
朝の過ごし方
同じホテルに連泊していたので、起床時間は遅くてOK。決められた朝食時間に合わせるより、マイペースに過ごしたかったので、素泊まりプランにしています。
昼の過ごし方
日中は観光をメインにしながら、当日中に提出しなきゃいけない仕事をカフェでしようとするも、中々良い場所が見つからず時間と体力を無駄に削り……結局スタバへ。目指す観光地にある店舗を選んで、先に移動を済ませておきました。
仕事を終わらせたらすぐ観光へ。秋の京都は夜も見るところが多いので、結局遅い時間まで遊び尽くします。
夜の過ごし方
帰ってきたらホテルに付いているコワーキングスペースで締切間近の仕事を集中して終わらせます。私は夜行性なので夜の方が集中できるタイプですが、朝方の人は午前に回すのがおすすめです。
また、私は働く時間帯が特に決められていないので、1日の中で遊ぶ時間と仕事をする時間とが混在する上記のようなスケジュールとなりました。
会社員で有給を活用しながらワーケーションをする場合は仕事の日、休みの日をはっきり分けて過ごすといったケースも多いでしょう。
旅行先で仕事する場所はどう選ぶ?
ワーケーションをする上で重要なのが、仕事をする場所選びです。
行き先や時期によって条件は変わってくると思いますが、今回は紅葉真っ只中のベストシーズンで観光客が多い京都で仕事場を探した際の経験をもとに説明していきます。
コワーキングスペース付きの宿泊施設がおすすめ
私が宿泊したのが、コワーキングスペースが共用施設としてついているホテルだったのですが、これがめちゃくちゃ良かったです。
- 深夜でも仕事ができる
- 周りを仕事をしているので仕事モードに切り替えやすい
- コーヒーも飲み放題
秋の京都は夜になっても紅葉のライトアップがあったりして、結局帰宅が遅くなってしまうんですよね。しかも私は夜行性なので朝活はできません。そこで、深夜1、2時まで自由に仕事ができる場所が確保できるコワーキングスペース付きの宿泊施設は本当にありがたかったです。
私は特に場所で切り替えするタイプなので、日中は観光モードで浮かれていても、コワーキングスペースに来れば周りに仕事をしている人がいて切り替えしやすくて良かったです。
ホテルの部屋についてる机より広くて明るいし、集中しやすかったよ!
観光地で自分のおやつ用に八つ橋や地域限定のポテトチップスなんかを買っておいて、夜にそれを食べながら仕事をするっていうスタイルがお気に入りでした。ホテル横のコンビニでは案外売ってなかったりするので、観光地でしっかり買っておくのがおすすめ。
急ぎで仕事場所を探すならスタバに直行
頭の中では、地元で人気のカフェでのんびり仕事ができたらな〜♪と妄想していましたが、現実には難しかったです。旅行先で仕事場所を急ぎで探すなら、スタバに直行するのがおすすめです。
- 人気のカフェは混雑しててまず入店待ち
- もちろん、待っている人がいるので無駄に長居したら迷惑
- そもそも仕事をする雰囲気ではないことも(ネットの口コミじゃそこまでわからない)
その地域にしかない有名な喫茶店って、結構駅から離れてることが多いんですよね……。
せっかく着いたのに空いてない、次のカフェを調べて移動って繰り返してると、あっという間に時間がなくなってしまいます。(待ち時間が1時間近くの超人気カフェでは逆に待機時間に仕事ができましたが)
その点、スタバであれば基本的にはどこにでもあるし、観光地周辺でも結構簡単に席がとれる、そしてWi-Fiが確実にあります(スマホとPCでインターネット共有すれば良いのでWi-Fiの有無はそこまで重要ではありませんが、あるとやっぱり嬉しいです)。
「観光しながら仕事」より、「仕事は集中してサクッと終わらせて、観光に行く」方が効率的ですし、貴重な時間を無駄にして悲しみに暮れることがありません。
行きたいカフェがあれば、仕事場とは切り離して行った方が良いでしょう。
ワーケーションをするホテルの選び方
ワーケーションをする際に拠点とする宿泊施設選びでは、普通に旅行で泊まるホテルを探す時以上に、時間を無駄にしない立地が大事になってきます。
- 観光地や駅から近い場所を選ぶ
- 毎日違うホテルより、同じ施設に連泊する
また、前述したようなコワーキングスペース付きのホテルを選ぶのもおすすめです。
私が今回宿泊したのはこちらのホテルでした。
We Base 京都
202年9月にリニューアルオープンしたばかりの綺麗なホテル。
1Fにラウンジがあり、日中はコワーキングスペースとして一般利用も可能となっています。宿泊者は自由に利用可能で、コーヒーなども飲み放題。私もここで深夜までお仕事をしていました。ドミトリーもありますが、今回は個室に宿泊しました。それでも1泊2500円程度(格安!!)。
コワーキングスペース付きのホテルも全国に増えていると思いますので、ワーケーションで宿泊先を探す際は、条件の一つに入れてみ手はいかがでしょう。
ワーケーションで旅も仕事も楽しさが倍に
旅をしながら仕事をすることで、長期滞在でより充実した時間を過ごせたり、働くモチベーションもさらにアップします。リモートワークが可能な仕事をしているのなら、1度はワーケーションを試してみる価値アリ!
働き方の選択肢の一つに入れることで、日々の暮らしや仕事がもっと豊かになるかもしれません。