屋久島といえば有名な2大トレッキングがあります。せっかく屋久島に行くのなら、トレッキングもしようと計画している人は多いでしょう。
しかし、屋久島のトレッキングは意外とハード。整備された道を歩く高尾山に登るような感覚では完走することはできません。登山に慣れない人も、屋久島でトレッキングをするならそれ相応の服装・持ち物を装備して行きましょう!
今回は、屋久島トレッキング経験者が実際に使用した服装や持ち物をベースに、縄文杉トレッキング・白谷雲水峡トレッキングでの装備について紹介していきます。
屋久島トレッキングにおける服装・持ち物の基本的な考え方
屋久島の2大トレッキングといえば、縄文杉トレッキング(約11時間)と白谷雲水峡トレッキング(約5時間)。
どちらも長時間のトレッキングになりますので、登山用の服装や持ち物が必要になります。特に縄文杉トレッキングは難所も多くハードなので、身体の負担を減らす装備やエネルギーを保つ飲食物も用意しましょう。
飲み物が足りなくなるのではと不安になるかと思いますが、どちらのトレッキングでも片道2箇所以上の給水スポットがあるので、500mlのペットボトルがあれば十分です。重い荷物はその分身体に負担がかかりますので、特別に喉が乾きやすいと不安がある人以外は、無理に1Lなどを持っていく必要はありません。
また、屋久島は雨が降る可能性が非常に高く、天気予報がどうであれ雨対策はしっかり行うことが大切です。
レインウエアやレインハットは地元のレンタルショップで借りることもできるので、持っていない人は活用することをおすすめします。膝に不安がある人はスティックもレンタルできます。
屋久島トレッキングの服装一覧
屋久島でトレッキングをする際の服装は、晴天時と雨天時の2パターンを用意します。晴天時の服装をベースに、レインウェアやザックカバーを追加するイメージです。帽子もできれば、レインハットに変えましょう。
基本的に縄文杉トレッキングでも、白谷雲水峡トレッキングでも服装は同じで問題ありません。
今回紹介するのは、筆者が実際に4月のトレッキングで使用した物となります。春〜夏ごろにトレッキングする方は、チェックリストとしてご活用ください。
屋久島トレッキングの服装リスト(春〜夏ごろ)
- 下着(スポーツブラ)
- 肌着
- Tシャツ
- フリース
- ダウン
- 帽子
- パンツ
- レギンス
- 厚手の靴下
- トレッキングシューズ
- ザック
- スティック
屋久島トレッキングの服装(上)
まず、屋久島のトレッキングは長時間に渡りますので、吸水性・速乾性のある肌着は重要です。下着についても、女性ならスポーツブラを用意した方が良いでしょう。
それから、休憩中に体を冷やさないよう、また天気の変化や標高の高さからくる寒さ対策のため、フリースや薄手のダウンなども持っていきます。これらは最初から全て着ておく必要はありません。体温調整をしながらザックから出し入れをしたり、腰に巻いたりしておきます。
また、日差し対策のために帽子も被りましょう。崖から落ちると大変なので、紐付きのハットがベストです。後述するレインハットで代用しても問題無いですが、蒸れやすいので晴天時は通気性の良い帽子の方が快適です。
屋久島トレッキングの服装(下)
下は動きやすく、できれば撥水性もあるパンツを履きます。ハーフパンツの方が動きやすいし蒸れにくいのでおすすめです。その中にはサポート機能が付いたタイツやレギンスを仕込んでおきましょう。
屋久島トレッキングの服装(足元)
トレッキングシューズは必須です。ゴツゴツした岩や水が流れており滑りやすい道など、スニーカーでは耐えられない足場が多いので、必ず用意しましょう。ただし、サイズが合わないものや、一度も履いていない新品のものは靴擦れを起こす可能性もあるので気をつけてください。外反母趾など不安がある箇所は先に絆創膏を仕込んでおくのも一つの手です。靴下も、トレッキングに適した厚手のものを履きます。
屋久島トレッキングの服装(その他)
ザックは20〜30L程度の容量があれば良いでしょう。背中に隙間が無い方が重さを感じにくくなるので、トレッキング前にはベルトの調整をしておきます。
スティックは、縄文杉トレッキング前半のトロッコ道では使いません。ゴツゴツした岩道(特にくだり)になってから取り出します。使わない時は小さく畳んでザックの横ポケットにしまっておきましょう。
雨天時に追加する服装リスト
- レインウェア
- レインハット
- ザックカバー
雨が降ったら、上記の装備を追加しましょう。逆に、雨が降っていない時はレインウェアを着ると動きにくくなるので不要です。ただし、今日は晴れ予報だから〜と宿に置いてきてはいけません。屋久島の天気は変わりやすいので、全てザックの中にちゃんと仕込ませておきましょう。
レインハットとザックカバーは必須というわけでは無いのですが、いざ雨が降った時の快適性が大幅にアップします。普通の帽子にレインウェアのフードをかぶる方法もありますが、なんだかんだ濡れますし、濡れると冷えて気持ち悪いだけでなく、臭くなりやすいそうです。お気に入りの帽子なら特に、晴れている時だけかぶって、雨が降ったらレインハットに切り替えた方が良いでしょう。
屋久島・縄文杉トレッキングの持ち物リスト
- 水(500mlでOK)
- 弁当
- 行動食
- 携帯トイレ
- ポケットティッシュ
- ウェットティッシュ
- 日焼け止め
- カメラ
- 折り畳み傘
- 絆創膏
- 常備薬
- 生理用品
- 保険証
ザックに入れる持ち物の一覧です。特に重要なのは、飲食物、携帯トイレ。以下で詳しく説明します。
持っていく飲み物・食べ物の目安
水は前述した通り、給水スポットが何箇所かあるので500mlのペットボトルがあれば十分です。行動食はカロリーメイト4個入りを2箱分以上ぐらいを目安に用意しておくと良いでしょう。また、縄文杉トレッキングは往復11時間かかりますので、途中で食べるお弁当も持っていきます。
携帯トイレはマストアイテム
携帯トイレと聞くと、草むらに隠れてするのか……?なんてイメージをしますが、実際には、携帯トイレを使えるテントなど専用のスポットがあります。トレッキング中、ちゃんとしたトイレは2箇所しかありませんので、複数持っておいた方が無難です。
また、携帯トイレで使用するティッシュ(トイレットペーパーでもいいけど嵩張るので)、手を拭くためのウェットティッシュも忘れずに。なお、携帯トイレは下山後に専用のゴミ箱があるので、そこで捨てられます。それまではザックの中にしまっておくことになります。
携帯トイレは結局使わなかったという場合も、自宅で震災用として持っておけるので損はありません。
意外と使わなかった持ち物
- ヘッドライト・懐中電灯
- 膝サポーター
- サングラス
- 軍手
- 花粉症の薬
- 財布
- 地図・コンパス
屋久島トレッキングの持ち物リストによくある項目も含まれますが、実際に私個人として使わなかったのが上記です。いくつかピックアップして理由も説明します。
ヘッドライト・懐中電灯
ガイド付きのツアーで午前6時ごろからトレッキング開始、午後5時ごろに終了したので、ヘッドライト・懐中電灯は使いませんでした。春〜夏に朝早くからトレッキングをしていれば、使うことはないと思います。また、トレッキングコースもしっかり決まっているので、普通にしていれば逸れてしまうことも無いはずです。とはいえ年に数回は遭難する人もいるようなので、心配な人は持っておいても良いでしょう。
膝サポーター
個人的に膝をケガした経験があることから、膝サポーターを持っていたのですが、ガイドさんに「締め付けで血流が悪くなるから、少なくとも行きは付けない方が良い」と言われ外すこととなりました。帰りも膝のケアなど繰り返してくれたので結局サポーターを使うことはありませんでした。既に怪我を負っている場合などに使うのが良いそうです。
ガイドさんの指導を受けながらの判断なので、普段からサポーターが必要な人などは医師の判断を仰ぐようにしてください。また、ガイドを使わずに個人で行く場合、歩き方の指導なども無いのでサポーターがあった方が関節を変な方向にグキッとやる可能性は減らせるかもしれません。
サングラス
日差し対策の帽子は着用するものの、基本は木が生い茂っている森の中を歩くので、サンサンと直射日光が当たり続ける訳ではありません。紫外線を気にする場合は紫外線カット機能の付いたメガネを着けるのもアリですが、眩しさ対策に色の付いたサングラスを着ける必要は無いでしょう。
軍手
特に使うポイントがありませんでした。ただ、安価で軽量なので念の為に持っておいても問題は無いと思います。
花粉症の薬
屋久杉、縄文杉、、、そう聞くと、スギ花粉アレルギーの自分は大丈夫か??と不安になるものですが、実際には花粉症の症状はなぜか全く出ることはありませんでした。詳しい理由は分からないのですが、ガイドさん曰く「よくあること」で、屋久島で花粉症が治る人もいるのだとか。
財布
トレッキングに向かうバスで使うことはあっても、トレッキング中に財布を使う場所はありません。バス代もガイド付きだとツアー代としてまとめて払うので、お金が必要になるシーンは一度もなかったです。
地図・コンパス
基本的に通る道はすべて決まっているので、道に迷うポイントがありません。
白谷雲水峡トレッキングの持ち物リスト
- 水(500mlでOK)
- 弁当
- 行動食
- 日焼け止め
- カメラ
- 絆創膏
- 常備薬
- 保険証
白谷雲水峡トレッキングが縄文杉トレッキングと異なるのは、まず所要時間です。縄文杉トレッキングは約11時間と長時間なのに加え、トレッキング自体も登る箇所が多く比較的ハードです。時間・距離が長いのにトイレが少ないので携帯トイレも必須。標高も上がるので寒くなる可能性も高いです。
白谷雲水峡は往復で約5時間のコースで、しかも途中にちょっとした小屋もあります。ここで雨宿りしながらご飯を食べたり、トイレを済ませたりすることが可能です。逆にいうと携帯トイレを使うスポットが無いので、持っていっても使い所がないかと思います。
これらの理由から、白谷雲水峡は縄文杉トレッキングより荷物も少なくできるでしょう。ただし、白谷雲水峡でも雨対策が必要になるので、服装はあまり変わりません。
屋久島トレッキングの服装・持ち物まとめ
屋久島で縄文杉トレッキング・白谷雲水峡トレッキングに行く際は、速乾性のある登山に適した肌着に体温調整のしやすい上着を複数枚、そして雨対策のできるレインウェアなどを用意しましょう。エネルギーを補給する行動食や飲料水、お弁当も持って行く必要があります。縄文杉では携帯トイレが無いと使えないトイレもあるので、何個か用意しておくことも忘れずに。
また、ガイドさんが付くと歩き方のアドバイスや足の痛みに対するケアなどもしてもらえるので、いざという時の備えが少なく済みます。緊急手当ができる物なども用意してくれていることもあるので、体力や身体的な問題で不安がある人は、そういった面でもガイド付きのトレッキングをしたほうが安心できるかと思います。
以上の服装や持ち物を事前にチェックし、ケガが無いようにトレッキングを楽しんでください!